TAKEHIKO SANADA SANADA SUTUDIO inc.

プレファブコート A.X07 Prefab Coat A.X07  2008

A.X07 は、帰宅困難者、BCP(事業継続計画)のためのジャケットとして制作され、同時に、通常の暮らしの中で街着としても着用できるようなファッション的要素を十分に持つデザイン性を目指しました。機能もこれまでの多機能性に生地のナチュラル感などがプラスされ、人の心や触感にも寄り添う形を作り上げています。そしてさらに、被災後の避難の際に緊急居住空間を確保できるよう、ある程度の強度をもつ組み立て式ポールを使用したドームテント型へと変化できるように更にレベルアップしました。それにより、体育館や屋内外で、ビバークする際にも対応できるようになったので、家族で保有することで、サイズの異なる親と子のコートもジョイントが可能になりました。例えば一〇名や三〇名の家族や友人のコートをひとつに繋ぎ合わせることも可能であり、大型のトンネル状ドームテントへと拡大しながら緊急の場に設置することもできます。この衣服は、プロテクターとしての機能を持つだけでなく、心を包み、人を包み、家族を包み、ドームやテント、アーキテクチャーへと変化しながら人の幸せを見つけ続けています。