プレファブコートT.M Prefab coat T.M 2005
T.M は、「セラピティック・メンバラン︵Therapeutic membranous= 治癒的な皮膜」の略としてつけました。精神科医・金吉晴さんの勉強会でのご意見を参考にプレファブ・コートを制作しました。コートをセラピティック・メンバランと捉え、人は個人のための安全な場を与えられることで、自分自身で記憶を再統合し再生のきっかけを得る、という視点から考察し作品にしました。
コートの内側にはキルティングを使い、外側にはナイロンを使用して二重構造にしてあります。展覧会の際にはこのコートを開いて繋げて空間を作りました。その空間には映像を投影し、下から見上げると雲がゆっくり流れる青い空を見ることができます。またキルティングには、鉛筆で手描きされた袖の絵やフードの絵柄を描きました。工業的に作られた布に、人の手を感じさせる手描きの絵を加えることで、その場にいることへの安堵感を得てもらうためです。
アクシスギャラリー(東京)/ 眞田岳彦「プレファブ・コート」展